中国に関する質問(二十五)

 国家権力は最大の「自粛警察」 

 【質問】 

国内外の「排外主義」への危機感について賛同します。ある意味では新型コロナ以上の脅威かもしれませんね。日本では「自粛警察」や最近は「マスク警察」まで現れて話題になっていますが、中国でもこうした現象が起きているのでしょうか? 

 【回答】

 新型コロナの感染態勢について、現在中国では、各地域が厳格に低リスク地域、中リスク地域、高リスク地域に分けられているようです。国家権力は最大の「自粛警察」だと言えます。 

 中国吉林省通化市の蒋海燕副市長は1月24日の記者会見で、政府の新型コロナに関する政策で隔離された住民への物資が不足していたことを公に謝罪した。この中国東北部の小都市の住民が数日の間に食糧不足に陥っていた。 感染拡大だと判断された吉林通化東昌区は1月20日から地域全体が危険度の高い地域に調整されており、当局は同区内の各家のドアに封印シールを貼るなどの閉鎖管理を実施し、住民は外に出ることができないようにしている。 

 しかし、世帯別閉鎖管理の状態では、市民の食料や医薬品などの物資が入手できない状態であった。外出制限は「ウイルスより怖い」という声もあった。 個人の「自粛警察」「マスク警察」をも存在しています。主に外来の客を断固拒否すること。昨年、武漢で感染拡大の際、中国の各農村地域は、感染を防ぐために様々な方法を実施、一部の村や町では村や道路を独自に封鎖しているところもあった。

ある村や町では、一部の家にシールを貼って、外部からの友人や親族の訪問を禁止させ、来客が来たら、通報したりしていました。 ショベルカーで道を切り開いて車の進入を禁止する人もいれば、レンガの壁を作って砂で道を塞ぐ人もいて、関大刀を手にして交差点を警備する人もいた。ある村人は、三国時代の英雄である関羽に扮し、部外者の侵入を防ぐために「関羽大刀」を手に交差点を警備する者もいました。 

 もし、三国の関羽は自分がそのように利用されていると知ったら何と言うでしょう。悲しいなぁ…。  

一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍