監視されても中国が世界中一番安全だと誇る?
黄 文葦
先日、中国の友人と話していたら、中国が一番安全だと言われていて、その理由として「どこにでも監視カメラがある」ということだ。 当方は、「それで自分の居場所を全部晒される可能性があるではないか?」と尋ねたら、 相手は「道にはプライバシーがないだよ!」と言った。向こう側の意識では、政府はみんなの安全を守るためにたくさんの監視カメラを設置しているわけだ。
長年間、中国で暮らしている日本人知人が「日本の1000倍の監視・密告社会の中国で万引きなんかしたら、監視カメラで捉えられ、1分後には顔認証で指名手配され、キャッシュレス決済や銀行口座を凍結され、バスにもタクシーにも乗れなくなる。自家用車で逃げても、ガソリン入れられないから、逃げ切れない」と教えてくださった。
中国式大規模監視とは、政府が行っているネット検閲やカメラ監視などの大規模な監視行為のことで、人工知能や顔認識、ビッグデータ解析などの技術を活用し、中国の社会的信用システムと密接に結びついている。 多数の中国人には自身が公設の監視カメラに映されることに気にしないこと。ただし、現在、監視カメラの関連商品が続々登場してきて、氾濫しており、プライバシー侵害および深刻な犯罪に発展していく恐れがある。 個人及び家庭にも防犯するために、家の中、監視カメラをつけたりしている。ネット上には、カメラの映像を盗むためのソフトウェアを公然と販売している人たちがいる。家庭用カメラには脆弱性があり、個人情報が保護されていない可能性がある。
クラッキングのソフト一式でカメラのIPアドレスやアカウント番号を入手するのに数十元しかかからず、簡単な設定をするだけで、一般人の自宅を監視した画像を入手できる。 他人の家のプライベートな画像をネット上で共有することがしばしば発生している。個人のプライバシーやセキュリティに深刻な脅威を与えている。
家の前や家の周りにカメラを設置している人もいるのが、隣の家のプライバシーがカメラに映っていて、どんな人が家を訪れているのか、どんな食料品を買ったのかがわかる。近所付き合いが悪い際、勝手にカメラで撮影したプライバシーをインターネットで公開する人がいる。それで、近所付き合いがさらに悪化させる。
プライバシーについて、日中の意識の差が大きい。時には日本人は個人のプライバシーに過敏に反応するようだ。一人の日本人の友人が自身の車をグーグルマップで見ていて、番号が見えていたので、 グーグルに苦情を言い、結局のところ、その結果、相手はあわてて謝罪し、彼の車のナンバーを隠した。 それは、グーグルマップで車ナンバーをみられるのと、家の前を通る人が自分の車のナンバーを見るのと同じではないだろうか?
日本の新型コロナ対策に関して、憲法が保障する営業の自由やプライバシー権と感染防止対策のはざまで、自治体が難しいバランスを迫られている。感染者と接触した人を徹底的に洗い出し、拡大を防ぐ和歌山県の対策は「和歌山モデル」と呼ばれ、海外でも注目された。 和歌山県では昨年2月、国内初の院内感染が発生。病院名の公表に踏み切って病院関係者600人を検査し、早期の安全宣言にこぎ着けた実績がある。
これは感染を拡大させないために非常に必要な対策であり、日本中が感染地域・感染者のまわりを徹底的洗いさせれば、感染は確実に少なくなるはず。政府は、明確な政策を出さないまま、国民に協力してほしいと言えないだろう。
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