いまの中国の人々にとって人民服とはどのようなもの?
【質問】
先日テレビでずいぶん高価そうな人民服を着込んだ習主席を見ました。いまの中国の人々にとって人民服とはどのようなものなのでしょう?
【回答】
習近平国家主席が国の重要なイベントがある時に、「人民服」を着込むと見られます。例えば、2019年10月1日、中国建国70周年の祝賀式典で閲兵する習近平国家主席が「人民服」の姿を見せていました。特に、軍隊の行事に参加する際に、習主席が「人民服」にこだわるらしいです。軍服は目立ちすぎるでしょう。
人民服の前身である「中山服」は、その発明者である民国時期の革命者孫中山の名前の通り、日本の服装から啓発されたもので、日本の学生服に似ています。 1950年1月には、中国中央人民政府の布告が新聞に掲載され、地方公務員の服装が規定され、その後、4つのポケットが付いた中山服は人民服と改称された。人民服は、ある意味、中国革命の象徴とも言え、新中国のナショナルスタイルを見事に体現していると言えます。
人民服は実に幹部服になっていた。当時の解放軍や政府の幹部が着ていた「幹部服」を一般の人々がうらやむようになり、このスタイルは最大の人気と評判を得ることになった。その後、人民服は本当に人民の服になり、中央政府の指導者から農民まで、職業や年齢、性別を超えて着用されていました。
現在、普段の生活の中、「人民服」の姿があまり見られないです。因みに、北朝鮮では人民服が今でも人気があり、昔、北朝鮮の指導者である金日成が好んで着ていたということです。現在の指導者である金正恩も人民服をよく着るのでしょう。その「人民服」は「社会主義の象徴」になっているようです。
中国では、人民服は一種の「演出服」になっていると思います。人民服は、普段着としても正装としても使用でき、シャツにネクタイを結ぶ手間もありません。つまり、人民服には、スーツでは代替できない多くの利点があるのです。パーティーでは人民服を着る人もいるし、結婚式では新婦の父親が人民服を着ることもあります。
(メルマガ黄文葦の日中楽話第39話、中国に関する質問回答より)
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