少数民族への対応、差別化と優遇化は同時に存在する

【質問】 

日本テレビの番組でのアイヌへの差別発言が大問題となって社長による謝罪に追い込まれました。多くの民族を擁する中国では、マスコミは「差別」に対してどのように取り組んでいるのでしょうか? 

 【回答】 

客観的に言うと、中国民間では、民族差別のことが少ないです。差別の例として、大都市のサービス業は、飲食文化が異なるなど理由で、少数民族の人を拒否したことがあります。ただし、少数民族の方が普通に大学を卒業したら、就職機会が漢民族の人と同じようになっていると考えられます。 中国のマスコミは勿論、以上のような「少数民族差別」を非難します。

さらに言えば、マスコミが少数民族の差別問題に関して、政府の政策と完全に一致しているはずです。公の場で、日本のように有名人が差別の発言することはありえないです。 深刻な「差別」は罪として問われる。中華人民共和国刑法第249条に、民族憎悪および民族差別を煽る罪が定義されています。それは、民族間の憎しみや差別を引き起こすことを目的として、言葉や文字を使って公然と大衆を扇動する行為です。 

刑法では、この罪を犯した者は、3年以下の有期懲役、拘禁、管理、政治的権利の剥奪に処され、事情が特に深刻な場合には、3年以上10年以下の有期懲役に処されます。 海外メディアがよく中国の少数民族弾圧を取り上げているようですが、中国政府の少数民族政策は、様々な優遇政策の一方で、強力な政策という両極端なものが並行しているのです。

少数民族への対応、差別化と優遇化を同時に行うかもしれません。 政治的には少数民族の地方の郷政府は、少数民族からの人材で構成されなければならない。国の上級機関の助けと指導を得て、少数民族の幹部の訓練と活用を強化するために様々な措置を講じなければならないということです。 

 「計画生育」について、少数民族には「一人子政策」を実行しない。状況による、二人目、三人目を認められます。 少数民族の学生に大学入試や大学院で適切な加点を与えます。少数民族の多くは、環境条件の厳しい遠隔地に住んでおり、教育資源も一般地域に比べて後進的であるため、少数民族の学生の勉強面では都市部の受験生にはかなわないです。 つまり、日本と中国、少数民族に対する差別が全く異なる形で現れていると考えられます。 

(メルマガ黄文葦の日中楽話42話より)

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