「ゼロ・コロナ」政策の下、子どもたちはどんな生活を送っている?
【質問】
中国の厳しい「ゼロ・コロナ」政策が世界の関心を集めていますが、こうしたなかで子どもたちはどんな生活を送っているのでしょう?大変気がかりです。
【回答】
最近、雲南省瑞麗市にいる一人の子供が、多くの人々の関心を集めています。その子供は 2020年1月28日に雲南省瑞麗市の感染リスクの高い地域で生まれ、昨年2021年8月31日、1歳半の時、59回目のPCR検査を受けたと言います。 また、子供はこの1年半で4回の都市閉鎖を経験しました。 赤ちゃんなのに、PCR検査のスタッフに会うと意識的にマスクを下げて口を開け、ドライヒーブを起こしやすいにもかかわらず、ちゃんと検査を受けているようです。 そんな、生まれたときから「PCR検査を受けることは人生の必然」と思っていた子供が、PCR検査で人生をスタートさせた。
コロナは、多くの中国人の生活様式、さらには生き方を完全に変えてしまいました。同時に、コロナは子どもたちの世界も変えてしまった。 本来は、子供には学校はクラスメートと交流し、社会性を養い、勇気や大胆さを身につけるための舞台です。そして今、子どもたちが接するのは、ほとんどの場合、母親や父親、祖父母です。
オンライン授業をばかり受けて、貴重な夏休みや冬休みは、コロナのために遠出することもできなかったのです。子どもたちは、小学校3年生になるまで、まだ「団体春季旅行」や「サマーキャンプ」を知らないのです。 親が子供の学習状況を心配するあまり、オンライン家庭教師を雇って子供の学業教育をする家庭もあります。
子どもたちは苦しみ、親たちはハラハラしています。このような非日常的な時間には、親と子が一緒に過ごす時間が長くなり、葛藤や摩擦が急激に増えます。社会的孤立、親子のストレス、混沌とした日常生活、自己統制力の低下、授業への不安など、様々な問題が起っているようです。
家庭でできるだけ子供に運動させる工夫をする親もいます。ネットの動画で、自宅の広い場所で、ひもを引いて、親が子供とバトミントンをしている画像を観ました。
北京で働く知人によると、今北京はロックダウンされていないが、政府からなるべく外出しないように言われており、「急に閉鎖することもあるので、外出したら帰れなくなり、路上で寝泊まりしなければならなくなる」、と心配そうに言いました。
「2人の子どもは高校生と中学生で、長男は今年から大学に進学するのですが、家で自習するしかなく、わからないことがあっても先生に聞くことができません。だから、とても心配なのです」と知人が心配そうに言いました。
(メルマガ黄文葦の日中楽話第79話より)
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