中国の人々は「貯蓄」と「投資」をどのように考えている?

 【質問】 

日本では岸田総理が国民の「貯蓄」を「投資」に回させたいと躍起になっています。中国の人々は「貯蓄」と「投資」をどのように考えているのですか? 

 【回答】

 今、岸田首相が「資産所得倍増」を掲げ、「貯蓄から投資へ」の流れを進めようとしているようです。ところで、給料がアップするのを待つのではなく、投資をしなさいということです。 しかし、普通の人たちには、投資のルートを簡単に見つけられない。もともとお金がない人は、投資しようにもできないです。 

 中国での貯蓄と投資の事情を紹介しましょう。 中国の銀行の金利は日本よりちょっと高いです。 銀行にお金を預けておくことは一種の投資であり、お金がお金を生むというのが中国人の意識です。 貯蓄は付加価値を高める手段であり、投資でもあります。貯蓄はすべての投資の前提条件だと思われます。 

 貯蓄以外の投資ルートは、以下の通りです。 

 1、国債 

国債とは、中央政府が財源調達のために発行する国債の一種で、利回りは年4〜5%程度。 安定したリターンが期待でき、長期投資にも適しています。 

 2、金 

金はより伝統的な投資形態で、市場がオープンで、価値が高く、実現性が高く、税負担が少ないという利点がある一方、国際情勢により価格が変動しやすいという欠点があります。 

 3、外国為替 

 4、信託 

信託は、個人の財産が増えるにつれて、多くの人々にとって身近な存在になってきました。 信託は、従来の資産運用とは異なり、例えば、財産委託は金銭に限らず、家、土地、株式、債券などの財産であってもよく、受益者は本人以外であってもよいことになっています。 

 5、 ファンド 

ファンドには様々な種類があり、分類の仕方も様々です。 投資対象によって、株式ファンド、債券ファンド、マネーファンド、ハイブリッドファンドに大別されているのです。 このうち、マネーファンドは年率2〜3%のリターンで、極めてリスクが低く、大多数の人に適している。 

 6、株式 

株は不確実性が高く、短期間で2~3倍になったり、一晩で損をしたりする。 全体的にリスクは高く、専門的な知識と高いリスク許容度を持つ人に向いているのです。 

 因みに、近年、中国では、人が一番熱中している投資は、やはり「家」を買うことである。不動産売買によって、収入を得ることです。中国人にとって、家は安心を与えてくれる財産です。中産階級は一家に2〜3軒の住宅を所有するのが一般的ですが、昨年来、政府は都市単位での規制・管理をタイムリーに行い、多くの都市で購入・ローン・価格制限政策が導入されています。 

(メルマガ黄文葦の日中楽話第81話より)

一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍