安倍総理が「東山再起」「捲土重来」を示してくれた
「人柄」が評価された
8月30日の朝、テレビ番組で女子高生が退陣を決められた安倍総理について、「日本のお父さん、みんなのパパ」と評した。知り合いの20代女子が、理想男性のタイプに安倍総理をあげた。何故なら、「性格がいい、総理大臣なのに、腰が低い」という。
以上、いずれも違和感なく納得できる話だ。人間としての安倍総理の「人柄」が世間に評価されたというのは事実だと思う。
2005年ある日のことを思い出した。その頃、中国の反日デモの最中であり、朝ニュース番組に自民党幹事長代理だった安倍総理が出ていた。その手で持っている一枚の紙に大変驚いた。それは中国語新聞に載せている署名「黄文葦」の記事のコピー、「過激なナションナリズムを煽ってはいけない」というタイトルがはっきり見えた。その記事は中国の反日デモを反対するという主旨であった。 その時、安倍総理が記事の主旨を同意してくださったと思った。自分の言論がこの世と繋がった、という感じた瞬間であった。無名な外国人記者の記事をテレビで紹介すること、気楽・寛容的な人だと感じた。
「最低」と「最高」が一体になる
世論を見ると、安倍総理を「最低総理」と決めつけ、安倍退陣を祝う人もいれば、早くも「安倍さんが治療をしっかり行って、万全の体調に回復し、再び日本のリーダーとして、戻ってきて欲しい」と安倍総理を「最高総理」と呼び、第3次安倍政権を期待する人もいる。
政治家・総理大臣としての安倍晋三氏について、日本では、賛否両論だけではなく、「多論」になっている。安倍総理への異なる評判から日本社会の多元化が読み取れる。 大衆は様々な立場と視点から政治家の言動を見て、様々な判断や評価を出す。民主主義そのものだ。
ある意味で、日本の政治家は透明人間だそう、個性がみられるのが、中国政治家の真の顔がまったくみられない。何もかも藪の中…
安倍政権に関して、憲法改正とアベノミクスは中途半端になってしまったが、考えてみれば、2012年12月に安倍総理が2度目首相に就任して以来、この8年間、日本はゆっくりと着実に発展してきた。
第3次安倍政権の可能性
さて、第3次安倍政権の可能性はあるだろうか。理屈では安倍総理が3度目総理大臣になることは不可能ではない。第1次安倍政権で、総理が退陣した時、誰も安倍総理は連続在任期間が憲政史上歴代1位になることは想像してなかっただろう。 5年後、安倍総理は71歳。3度目総理大臣にならなくてもまだまだ政治家として活躍する余地は十分ある。
現在の日本政界を支えている政治家たちを見ればわかる。官房長官菅義偉氏は71歳、財務大臣麻生太郎氏は79歳、「自民党史上最長」の幹事長二階俊博氏は81歳だ。
余談だが、ある中国の友人が安倍総理の下の名前は「晋三」をこんな風に解釈してくれた。「晋」は中国語で「進級」「昇進」の意味を持つ。三度目の「昇進」になるはず。安倍総理が二度と総理大臣になることは、「東山再起」「捲土重来」を示してくれた。人生にはいつでも再チャレンジすることが大事である。
多くの中国人が安倍総理に好感を持つ
第1次安倍政権が誕生して間もない2006年10月、安倍総理が電撃訪中した。それを契機に、日中の間に、「戦略的互恵関係」が築き上げられた。それ以前に、中国人が大体安倍晋三氏を「右翼」と見なしていた。「右翼」が敢えて中国へ「破氷之旅(氷を砕く旅)をした。日中の間の氷山を打ち切ってくれた。当時、多くの中国人が驚きと面白さを感じていたという。時には、政治家が「ギャップ」と「矛盾」を示すのに一種の寛容だと思われる。
今回、安倍総理の辞任表明について、中国ネット上、「ここまで政権が長続きするには、政治家としての大きな勇気と国民の受け入れが必要だ」とネチズンが安倍総理を評価している。
8月29日、中国外務省の華春瑩報道官がツイッターにて日本語と英語で「日中関係の改善にご尽力された安倍晋三総理に一同ご敬意を表します、一日も早くご快復を心よりお祈り申し上げます」と書かれている。かつて何回も自身を批判していた「敵」から敬意が示された安倍総理。友達から尊敬されるのは当たり前だけど、「敵」からも尊敬されるのはめったにないこと。
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