恋愛ができない、恋愛をしない若者

                                    黄 文葦


中国のニュースサイト「澎湃新聞」によると、先日、ある団体が全国の大学生1028人を対象に、学校に恋愛授業を設けることに賛成かどうかのアンケート調査を実施した。 調査結果によると、大学生の88.23%が「支持する」と回答する。アンケート調査に参加した学生は、恋人がいる方は28.89%があり、37.55%の人が恋愛経験を持ち、今は単身。28.99%の人は交際経験がなく、4.57%の人が片思い状態になっている。 



(大学生の88%が学校での「恋愛授業」を支持:親密関係を築くのを学ぶことは人生の必修科目)

 参考サイトhttps://www.thepaper.cn/newsDetail_forward_9538493(中国語)  

恋愛心理学講座の講師の中国鉱業大学行政管理学院教授・博士課程指導教授の段先生は、恋愛心理学の必要性についてこういう風に語った。 「恋愛にまつわる問題に関連した過激で悪質な事件の数々を知れる一方、他方では「親密な関係、対人関係、異性関係など、大学生のメンタルヘルスに最も大きな影響を与えるのは感情関係であることを知ることができる。 そのため、恋愛心理学講座を受講することは、大学生が正しい恋愛観を確立し、タイムリーに心理状態を和らげることが期待されています。」  



中国民政局の統計によると、2015年に中国の結婚適齢期の独身男女の数は2億人に達し、これはロシアとイギリスを合わせた人口に相当する。 中国では一人暮らしの人数は、1990年の6%から2013年には14.6%までに増加している。 しかし、これに対して、中国の社会制度や観念は、この膨大な「独身集団」が実在しているからといって、まだ変化していない。親は相変わらず結婚適齢期の子供に結婚を促している。 



恋愛したくない若者は、パートナーへの期待がますます高まっている。「魂の相性」をより重視する。「デートには時間とエネルギーたくさん必要で大変そう」「恋をするのにお金がかかってしまう」「恋をしなくても何とかなる」…恋愛に対して、このような考え方を持つ人が増えている。つまり、独身という生き方を1つの選択肢として捉えている人が多くなってきた。  



筆者には、故郷福州市在住の30歳の女性知人がいる。彼女は独身でとても優秀で小さな会社を経営している。恋愛しない理由を聞いてみると、「忙しくて恋愛できない」「恋愛よりも仕事の方が楽しい」と言っていた。これは現在の若者の普通の考え方になっている。

 日本でも、若者の恋愛離れも加速している。今年1月、ブライダル総研が「恋愛・結婚調査2019」の調査結果を発表した。全国の20~40代の未婚男女2400人を対象にしたこの調査で、恋人がいる人の割合は32.1%。恋人がいない人の割合は67.9%と約7割に及んだ。 現在、日本でも中国でも恋愛できない若者が増えている。



男女両性の愛、人類にとって最も古い課題だが、現在、新しい局面を迎えている。さらに、今年は外出できない時間が増え、対面する機会が減ってしまった。出会いの場が減ったことで、「恋愛欲」が薄れて、恋愛はもっと難しくなっているのではないか。社会的な「恋愛危機」が訪れているのかもしれない。

従って、現代人向けの「恋愛学」が生まれても驚くことではない。中国の大学で設けられる「恋愛心理学講座」はどれだけの効果をもたらすのだろうか。また未知だが、恋愛は、人間しかできないことと確信する。AI分野がいくら発達しても、恋愛事情は介入しないでほしい。 

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とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍