中国に関する質問回答(三)
★【質問】
第4話の中国の郵便局をめぐる記事のなかで、中年になった「一人子」世代の「家庭養老」の話が出てきました。 これは、一人子同士の夫婦が双方の両親、場合によっては祖父母まで面倒を見るのが普通ということですか?(さらにシングルの場合は?)そんなこと可能なのでしょうか? 中国の軍事大国化がしきりと取り沙汰されていますが、その兵隊たちも「一人子」ばかりで死なせるわけにはいかないから戦争はできない、と聞いたことがあります。本当でしょうか?
★【回答】
「一人子」世代と「家庭養老」について、中国現地の数人に電話取材した。
筆者の元上司であった中国福州にある「福建老年報」の元編集長、三年前に定年退職された薛さん:
「『一人子』世代が40代に入り、親の年齢は70歳くらいです。現在のところ、健康状態は大体良好です。安心と地域サービスのフォローアップがあることから、現時点で大きな問題はないです。中国の国情としては、家庭養老を重視し、地域支援と施設ケアで補う方が適切だと思います。
大学のクラスメイトで現在福州市倉山区民政局副局長の黄さん:
中国の老齢化対策は常に改善され、老人の補助金が増加している。「一人子」の親が60歳になったら、政府は老人に毎月数百人民元の補助金を与えます。金額は少ないですが、お年寄りには、お小遣いを少し多めになりました。 近年、高齢者福祉施設がたくさん建設され、政府はまた、民間企業が福祉施設への投資を奨励し、補助金を支給するだけではなく、光熱水費も大幅に減免させます。
福州市の自営業の孟さん(50代)
50代から老後の生活を考えなければならないです。老後を老人ホームで過ごしたくない人が大勢います。50代、60代の人たちがネットで同じ志を持つ人たちを呼びかけます。 定年退職の後、皆がシェアハウスで共同生活することで、「抱団養老」と言います。相互協力養老、高齢者が助け合って共同生活をします。子供に負担をかけたくないです。 近年、「社区」(中国では最も基礎的な単位である居民委員会の管轄範囲の地域社会)はますます大きな役割を果たしてきました。 今年、新型コロナをきっかけに、政府主導の「社区食堂」が流行しているようで、食事代はたいへん安いです。一食は10元(約150円)ぐらいです。多くのお年寄りが利用しています。80歳以上の高齢者はさらに低価格で利用できます。一食は2元(約30円)です。
今年銀行に就職したばかりの上海の林さん(20代)
私は一人子です。両親は50代、おじいちゃん、おばあちゃん70代です。この前、おじいちゃんが二週間入院していたのです。たくさんのお金が必要でした。治療費用の以外に、介護の人を雇い、毎日300元(約4600円)がかかります。やっぱり、たくさんのお金を儲けないといけないと思いました。両親とおじいちゃん、おばあちゃんのために、頑張ります。
当方のまとめ :
中国では、やはり「家庭養老」の伝統が根深いです。それは高齢者にとって慰められることです。「一人子」の負担は大きそうですが、地域助け合うシステムがだんだん充実してきます。
自分の「一人子」を軍隊入らせた親に聞いてみました。意外に親たちはあまり躊躇していなかったようです。軍隊は自立心を養い、強い意志力を鍛えるところだと認識し、中国は戦争を起こせないと皆が思っているようです。勿論、絶対に自分の子供を戦場に行かせるわけにはいかないです。
国と国民の意見にギャップがあるかもしれません。権力者には戦争を絶対に起こさないように願うばかりです。
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