中国に関する質問回答 (四)
【質問】
このところの台風9号、10号に見られるような東アジア地域の台風の大型化・凶暴化は中国にどんな変化をもたらし、どのような対策が講じられているのでしょうか? また、いざ台風が接近してくるときに、日本のテレビのように延々と同じニュースを流し続けるといったやり方は中国でも見られるものでしょうか?
個人的には、新型コロナや巨大台風のような「自然の猛威」が北朝鮮の体制を揺るがし、朝鮮半島の統一を促す可能性もあるのではないかと思います。 そのときに中国や日本をはじめ周辺諸国がどのような態勢で向き合えるのかが重大なポイントになるでしょう。そのへん、どんなふうにお考えですか?
【回答】
現在、中国では、台風など自然災害が襲来する際に、政府部門が台風想定地域の人たちに一斉携帯メール発信、注意を呼び掛けます。政府機関が主導の携帯アプリでも台風情報が見られます。 テレビ番組はよく災害ニュースを報道しているのが、政府の指導者が被災地を訪れて被災者を見舞うということが多いです。 一部の台風対応のマニュアルが以下の通りです。
「台風が来る前に、ラジオやテレビ、新聞、アプリなどで台風に関する最新情報をチェックしておきましょう。」
「懐中電灯、ろうそく、ラジオ、食料、飲料水、一常備薬などを事前に準備し、ドアや窓の頑丈さを確認し、張り出したものを取り除き、電気回路、暖炉、ガスのチェックをしておきましょう。」
「外出しないようにし、高齢者や子どもが自宅の中で最も安全な場所に留まるようにする。」
「一人暮らしの障害者、お年寄り、また自宅で療養している患者などの弱い立場にある人たちの中、台風の影響で緊急に助けを必要としている人たちは、地方自治体、村、医療援助機関、民政部門などに迅速に助けを求めてください。」
「船舶が航行中に台風に直撃された場合は、速やかに最寄りの町役場や海事課に連絡し、所在を報告して助けを求めましょう。海洋遭難警報番号は12395です。」
「山の周辺に住む人は、台風による土砂崩れや土石流に注意し、危険の兆しを見つけたらすぐに移動するようにしましょう。」 …
北朝鮮は世の中最も不透明な国だと言えます。今年、新型コロナの感染状況にも全く見えない。台風など自然災害で体制を揺るがす可能性が十分あると考えられます。
その際に、北朝鮮が助けを求めるなら、やはり中国に向かうではないか、と思いますが、東アジアの国々、北朝鮮に対し、中国・日本、韓国が役割分担できればよい、人・物・カネの支援をそれぞれできたらいいと思います。 今年、北朝鮮はかなり経済難に陥っているではないか、政治体制がだんだん弱っていくではないか、と想像がつきます。
朝鮮半島における日中が争う歴史を想起しました。 白村江の戦いは天智2年8月(663年10月)に朝鮮半島の白村江(現在の錦江河口付近)で行われました。日本・百済遺民の連合軍と、唐・新羅連合軍との戦争です。 中国人には、周知する日本の歴史人物を言えば、やはり豊臣秀吉です。子供の頃から、豊臣秀吉の題材にした映画とドラマをみました。1592年(日本文禄元年、明朝万暦二十年)、日本の支配者豊臣秀吉は十数万の大軍を発し朝鮮に侵攻しました。 朝鮮は、朝貢の宗主国である明朝から軍事援助を獲得し、戦争は結局明朝軍と日本軍との朝鮮での対峙で七年にわたって続いたのが、豊臣秀吉の死による日本軍の撤退をもって終結しました。
歴史を教訓に朝鮮半島が有事になる際に、日中が絶対にお互いに協力してほしいです。問題は、北朝鮮が再び中国の従属国家になるのか、それとも真新しい民主国家になるのかということです。日本の役割は注目されるべきです。
現実に戻り、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は9月8日、平壌で党中央軍事委員会拡大会議を主宰し、台風被害により年末に向けた経済建設の目標達成が困難となり、見直しが必要になったとの認識を示し、早期の被害復旧を指示しました。 日朝関係をあえて言えば、日本の拉致問題を解決するのは、お金でしかないと考えています。
しかし、現在、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と握手できる日本の政治家はいないでしょう。 現時点で、中国は韓国と北朝鮮が統一するのは望んでいないようです。朝鮮半島は一つになったら、中国の朝鮮族の独立運動につながるかもしれません。
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