もし自分が新型コロナにかかったら…

                                  黄 文葦

12月の初めから、筆者はのどに違和感があった。ドラッグストアでのど消炎剤とスプレーを買って使っていたが、改善しなかったため、12月7日家近くの耳鼻咽喉病院に行った。  

いつもの病院とは全然違う光景を目にした。不思議な雰囲気だ。患者は三名しかいなかった。勿論、皆が距離を取って座る。待ち時間がほとんどなく、すぐ呼ばれて看護師が診察室へ案内してくれた。 お医者さんが簡潔に症状を聞いて、のどに捲綿子(けんめんし)で薬を塗る。「のどはすこし赤い、炎症がある」と言われた。

診査の時間は一分間も経たなかった。そして、のどに三分間の霧状のものを吸い込む。その期間、看護師がソーシャルディスタンスを取っているようで、遠くで見てくださって…まあ、これでもいい。

今年だと、体の調子が悪い、風邪を引いたと言うと、人に敬遠されるだろう。人間の病にはいろいろあるが、今年は特に新型コロナがすべての病より優先されているように思える。 ただしお年寄りは、別の病気が重症化する危険性もあるので体に不調があったら、やはり病院に行ったほうがいい。病院の感染対策はしっかりしていると感じられた。 

今回自分の症状はのどの痛みと咳だけで、体温は正常だった。このような症状で、PCR検査が必要かどうか分からないので、12月7日の夜に新型コロナウイルス感染症相談窓口に電話してみた。相談員はとても優しかった。まず症状を聞かれた。 続いて「基礎疾患がありますか」と聞かれたので「ないです」と答えると、「今はPCR検査を受ける必要がないと思います。まず薬を飲んでください。改善しない場合、もう一度かかりつけの病院へ行って、その時、PCRを受けるかどうか、医者さんの判断に従ってください」とのことだった。納得できるアドバイスであった。  

日本中の感染拡大の事情を見ると、今はもはや誰がかかってもおかしくない状態になっていると考えられる。先日、筆者が勤務する専門学校に、大阪にいる一人の中国人留学生が電話をかかってきた。「新型コロナに感染して退院したばかりですが、御校に出願できますか」と問い合わせがあった。 勿論、留学生は新型コロナにかかっても、進学の希望を捨てない。その留学生が退院したばかりなので、うちの学校はオンラインの方式で彼女に試験を受けさせることにした。

留学生は自身の感染経路について、よくわからないらしい。毎日、家から出て、電車を乗って学校へ…旅行も会食もしてなかった。 

筆者はのどの痛みがあって薬を飲んでいる期間、在宅勤務にしていた。万が一の場合、人に感染させたら絶対だめだと思ったからだ。 「もし自分が新型コロナにかかったら」と自問しながらも、感染しないため、万全を期して感染対策を講じるべきである。 

一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍