2020年に始まった新しいこと 猫を飼う

                                   黄 文葦


2020年、皆さまにとっては、今年はどんな年だったでしょうか。いろいろ大変なことがありましたが、特別な年として、特別な思いが残っていると思います。 


当方には、新しいことがありました。元保護猫ハチを引き取り、自宅で飼い始めたことです。最初の1ヶ月はお互いに慣れていく過程で、5か月を経った今、すっかり相棒のような感じになりました。

毎日、夕方に家に戻る際、ドアを開けた瞬間、ハチは必ず、とても機敏に、2階から階段を駆け下りて玄関まで迎えに来てくれます。 朝、起きる時、ドアを開けると、まず目に入ったのは玄関に座っていたハチ君。

「おはよう」のような発音を出して挨拶をする。 飼っているのは猫ではなく犬ではないかと思っており、猫との対談も楽しんでいます。



時には、会話は成立しているようだ。普段、ハチくんとは中国語で話している。驚くほど発音も良い。 日本語で訳すと、こんな感じ。 

「お腹すいた?」 

「ええ。」 

「ご飯食べる?」 

「食べる。」  

はちくんは茨城県の山の奥の出身だが、なんだか中国語をわかる様になっている。いつも迅速に返事してくれる。間違いなく、猫は癒される存在である。 



作家と猫の物語がよく聞かれている。なぜ作家たちが猫に愛着を持つか、自分なりに悟った。特に文章を書いているとき、考えことに集中していたいときは、猫と一緒にいたほうが役に立つ。 



猫と二人きりになると、猫はいつも仕事のテーブルに駆け寄り、足元に素直にじっとしている。計り知れないほどの平和さ。集中力を高めようとすると、猫は信じられないほどよくしてくれる。 空気の中、猫の静けさが徐々に広がっている。気が散っていたものは全て落ち着き、失った自制心が戻ってくる。



さらに気楽なことは、猫はずっと面倒を見なくても大丈夫、放っておいていい。 書くのに疲れた時に目を向けると、猫が丸くてドロドロした目でこちらを見ている。いつもこんな感じで、気にせず自然に見つめ合う。何か柔らかくて暖かいものがこころに満ちているのを感じる… 

一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍