日本政府の広報力が足りない

                                     黄 文葦

東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出するについて、日本政府は四面楚歌の状態に落ちているようである。情報の透明性と説明が足りなさそうであった。日本政府の広報力が足りないということが明らかである。 福島第一原発の処理水を海洋放出するのは、環境問題だけでなく、政治的、外交的にも大きな問題となっている。

周辺の国は処理水問題で日本に不信感を示すことには一つ重要な理由は、10年前の福島原発事故以来、事故の発端となった東京電力は、基本的に企業として不誠実で、社会的利益を無視して企業の経済的利益だけを気にしているとしか言いようがない。 したがって、海に放出するのは汚染水ではなく処理水であることを日本政府はしっかり国内外に説明をしてとりあえず国民にも理解させる事が重要。原子力安全基準に則した対策を取ることをアピールすべきである。実は、日本国内の反対意見は、健康への影響ではなく、処理水による経済的損失に向けられているらしい。 

 福島第一原発の処理水問題の経緯を振り返る。昨年2月、日本政府の専門委員会は、福島第一原子力発電所からの原子力発電所排水の処理方法を検討し、3つの処理方法を提示した。1つ目は、福島第一原発の周辺地域に、廃水を保管する場所を新たに作ること。2つ目は、無人島の一つに大規模な核廃水貯蔵施設を建設すること。3つ目は、希釈後に直接海や大気中に放出すること。政府にとっては、十分な検証をした上で、3つ目の海に放出することを決めただろう。 

 日本政府の計画は汚染水を世界保健機関(WHO)の水質基準の7分の1にまで希釈してから放出するというというものだ。処理水は安全な水であることを政府関係者が言うのではなく、専門家が言う、しかも詳細に言うべきである。 可能ならば、処理水問題の現地調査と第三者による監督を行ったほうがいい。運用面では、まず国際原子力機関(IAEA)が、福島での汚染水の調査・検査に着手し、排出に賛成か反対かの明確な世論形成を行い、処理水の排出や関連作業に対する第三者の監視を実施すべきであると考えている。 

 日本政府は、現在のように外部からの調査を断固として拒否するのではなく、協力する義務がある。問題に直接かつ重大な関与をしているロシア、中国、韓国、北朝鮮、台湾など国と地域の専門家が集中議論すべきである。あえて言えば、日本外交はもっとオープンな姿勢を示されればいい。 

 福島第一原発の処理水について、いくつの数字に注目したい。海洋放出するという決定は急に決めることではなく、数年にわたる議論の末にある。放出するのに2年後に始まる。放出計画は完了までに数十年がかかるとみられている。日本政府が実際に入念な検証と計画を行ったことは、その段取りの手順からも明らかだ。

最も衝撃を受けた数字は「放出計画は30年以上がかかる」こと、それで、私たちのこれからの人生は、福島の処理水問題と共にある。処理水を海洋に放出することを機に、人類に優しい新資源、そして原子力の未来を考えよう。高度な技術開発や経済発展を急ぐあまり、人類は自らを苦しめ、地球の傷を縫い合わせ、土地を浄化するのに何十年も必要とした。 

 日本政府はかつて、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故後、約30年かけて発電所をすべて解体し、最終的にはその跡地に緑の海浜公園を建設して、後世に隠れた危険を残さないようにするという計画をした。あの美しい日をこれからも待っている。 

一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍