中国に関する質問(三十)
★「親兄弟明算帳」なので、借金はそんな大きな社会問題ではなさそう
【質問】
中国人にとっての携帯電話の特集を興味深く読みました。日本人以上にオンラインショッピングやキャッシュレス決済が当たり前になっているようですが、それにともなう「借金地獄」などの社会問題はどうなっているのでしょうか?
【回答】
借金はそんな大きな社会問題ではなさそうです。携帯にも手軽にお金を借りることができます。スマホの借金アプリは十数個あります。例えば、中国では国民的なアプリWeChatにもお金が借りられます。一日の利率は0.05%。 近年、経済的に豊かになる人が増えているのですが、お金を借りることをめったにしない。お金を借りることに関して、中国の民間では、いくつの原則があります。
まず、「借急不借窮」という原則。友人や家族が急用で、学費・生活費が一時的に足りなくなって、こういう状況には助けてあげるべきです。でも、親友が家を買うためにあるいは商売をするためにお金を貸すことはいけない。さらには、お金を借りる人が株や投資のためにやっている場合は、必ず断るようにしましょう。
また、「借少不借多」という原則もあります。小金額のお金を借りられるのが、多額の資金を貸かないようにすべきです。貸し出すお金は自分の経済能力範囲内であるべきで、この範囲内であれば、相手が返済に間に合わなくても金銭的なストレスをあまり感じず、その金額以下に抑えて、その基準を超えて貸し出さないようにしましょう。 親友の間にもお金を借りた場合には、通常、借用書を作ることになります。明確に借金の金額と返済時期を書かれます。
「親兄弟明算帳」という俗語があります。「兄弟の間でも勘定をきちんとしなければなりません」という意味ですが、ビジネスでは、いくら仲が良い関係でも価格交渉するときは金銭的なところできっちり線引きすることが必要との意味合いです。
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