中国の文字は繫体字に戻ったら、どうでしょうか

【質問】 

中国と台湾は使っている漢字の書体が異なっていますが、文書をやりとりするときはどうしているのですか? 

 【回答】 

大陸と台湾の漢字は違いますが、お互いに読めます。全然問題ないです。しかも、現在パソコンあるいは携帯で文字を入力する際、簡体字と繁体字が簡単に変えられます。 大陸の人が筆で繁体字を書けなくても、ネット上、繁体字の文字を入力できます。文書を気軽に作れます。漢字の書き方が違っても、読み方は同じなので、文字でも話し言葉でもコミュニケーションは全然問題ないです。香港、マカオ、台湾の方が大陸に来て、簡体字を使ってビジネスをするのはよくあることです。 

 個人的な感覚ですが、台湾人が簡体字を認識するのは、大陸の人が繁体字を認識するよりも難しいと思います。一部の簡略化された簡体字は、簡略化されすぎました。簡体字は漢字の文化を破壊したと主張する学者もいます。 

 ちょっと簡体字の由来を語ってみましょう。1949年に政権を取った共産党は、経済発展のためには産業発展が必要であり、産業発展のためには人材が必要であると主張していたが、当時の中国では、自分の名前しか書けない人を除いても、全国の文盲率は80%にも達していた。 中国では、国民全体の教育水準を向上させるために、文盲対策を精力的に行い、それに伴って、漢字を簡略化して学習しやすくする運動を行った。 

漢字の簡略化は、最も影響力がある中国語の改革運動の一つです。 1955年になると、「漢字簡化計画案」が文字改革国民会議で審議・承認され、1956年には簡体字が正式に普及した。 現在使われている簡略化された文字のほとんどは、1965年に発行された簡略化された文字に由来しており、全2236文字が収録されています。 歴史的な理由により、当時始まった簡体字運動は香港・マカオ・台湾には広がらず、現在も香港・マカオ・台湾では繁体字が使われている。華僑の多いシンガポールやマレーシアでは、中国の簡体字運動の影響を直接受けていないにもかかわらず、現地の華人が率先して繁体字を捨てて簡体字に変えました。 

 一つの発想ですが、中国の文字は繫体字に戻ったら、どうでしょうか。台湾との統一はまず文字からしてみてはどうでしょう。繁体字のほうが、もっと伝統文化にふさわしいと思います。 簡体字は、漢字の芸術性や科学性を無視した粗悪なものでした。 例えば、中国の繁体字である「愛」には「心」という言葉がありますが、簡体された後に「爱」となり、結果として「心のない愛」となりました。 

 かつて、繁体字は覚えるのが面倒で、書くのも難しく、普及には向かないと言われていましたが、コンピューター入力では、面倒な文字でも簡体字と同じように簡単に入力できます。 伝統的な漢字の使用を復活させることは、両岸の統一に貢献するでしょう。 台湾では、伝統的な繫体字を「正字」と呼び、「正字」で無形文化遺産を申請することで、大陸では政治的圧力がかかっています。 

(メルマガ黄文葦の日中楽話第47話より)

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