中国人には、「持っている物で成功を測る」という傾向
【質問】
「独身の日」のアリババ売上が9兆6千億円で今年も記録更新したそうですが、一体、こうした物欲のエネルギーはどこから来るのですか?
【回答】
「独身の日」ビジネスの秘訣はお買い得です。それでも国の政策だと考えられます。皆が割引を狙って買い物です。データーを見ると、最も購入されているのは、やはり米、小麦粉、油、酒、お茶、ティッシュなどの日常必需品で、安いうちに買いだめをしている人が多いことがわかります。 また、その日に買い物をしないと、時代に遅れると見なされて、お年寄りも奮って買い物します。それでも一つの「同調圧力」でしょう。因みに、年寄りたち一番欲しがるものは新しいスマホです。
中国人には「持っている物で成功を測る」という傾向があり、この意識は他の国よりもはるかに高いと思われます。家や車、家電製品など、所有するものが新しければ新しいほど、満足感や威信感が高まるわけです。経済的にテイクオフしたこの30年間を振り返ると、中国は多くの富を生み出しましたが、富が増えても人々の物欲は減りませんでした。それどころか、人々が生み出した富が却って人々を服従させているようです。
なぜ中国人は物欲の塊になるのか、ある中国マスコミの知人の意見としては、「私は人類の文明を動かしている大きな力の一つが利益の追求と物欲であり、欲望のない人間は努力する気にならないと考えています。物欲のエネルギーがあったことこそ、多くの中国人は生き生きとしているでしょう」。
別の友人は、「生活の中で、物欲が多く、ストレスも多い」と言っていました。「また、大都市の若者の中には、以前より収入が増えている人もいて、大都市の生活がストレスになることもあるので、底力を発揮して、少しでも満足感を得るために、より良いものを買う必要がある」という指摘もあります。
(メルマガ黄文葦の日中楽話第64話より)
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