相撲の「裸」については、中国人の考え方

【質問】 

「温泉水着」の記事に日本人が人前で裸になることの不思議が書かれていましたが、では、中国の人々の目には日本の国技とされる「相撲」がどのように映っているのでしょう? 

 【回答】

大勢の中国人は、日本の伝統的な国技である相撲に関心を持っており、以前、日本を訪れた中国人観光客の中には、相撲観戦を目的にしている人もいました。相撲が中国から日本に伝わったことは、多くの中国人が認識しているようです。 

中国の書物によると、相撲は古代では「素舞」と呼ばれ、漢の時代に起源とされています。秦や漢の時代には「角抵」と呼ばれ、南北朝時代から南宋時代にかけては「相撲」と呼ばれていました。 7世紀の允恭天皇の葬儀の際に、中国の使者が日本に派遣され、敬意を表して「素舞」を披露したのが、中国の相撲が日本に初めて伝わり、日本の固有の相撲に影響を与えたと伝えられています。 

 相撲の「裸」については、中国人はおかしいとは思わず、日本の伝統だと思っています。中国人にとって、相撲の衣装は興味深いものです。トップスを着る必要がなく、下半身は日本の伝統的な「布」を纏うだけです。それを「丁字褲」(Tバック)と言います。 また、「丁字褲」を日本の民族精神の象徴と考える人も多いです。着るものが少ないということは、隠れるものがないということであり、武器を隠すこともあり得ないことです。 

 しかし、「丁字褲」に違和感を覚える人もいます。相撲取りのイメージには魅力を感じられず、不健康な体だと思う人もいるのです。 

(メルマガ黄文葦の日中楽話第64話より)

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