中国と日本それぞれのおすすめスポット

【質問】 

旅行好きの黄さんがこれまで出かけたなかで、中国と日本それぞれのおすすめスポット・ベスト3を教えてください。 

 【回答】 

この二年間、海外旅行は全然できなくて、三年間中国に帰っていないです。中国は広いので、実は、当方には行ったことがない中国の地方が多いです。この質問を見たら、直ちに思い浮かべるスポットは北京の故宮、上海の外灘、福建省の武夷山です。 

 北京の故宮は、紫禁城とも言えます。中国5000年の歴史と伝統文化が凝縮されているところでしょう。現存する世界最大級で最も保存状態の良い木造建築物だと言われます。1987年には世界文化遺産に登録されました。 90年代に当方が一度故宮を訪れました。またいつか、ゆっくり一日故宮を巡ってみたいと思っています。 

 上海を訪れる観光客は、必ず上海の外灘(がいたん)へ行きます。上海を知る上で外灘は欠かせない場所です。数世紀にわたる上海の栄枯盛衰を記録しており、外灘の夜景は世界的に有名です。 コロナ前の2019年10月、当方が上海へ行った時、夜の外灘を散策しました。やはり、夜景が素晴らしかったです。外灘に立ち、黄浦江の向こうに陸家嘴CBD(中央商務区、Central Business District)を眺めると、「東方明珠」に代表される建物が、夜には黄浦江の水面に映える黄金の衣をまとっているように見えます。外灘のエキゾチックな歴史的建造物は、夜になるとライトアップされ、幻想的な雰囲気を醸し出します。 

 もう一か所は故郷福建の武夷山です。武夷山西部は、世界的な生物多様性保全の重要地域であり、同緯度の中亜熱帯原生林生態系が最も完全で典型的、かつ大規模に残されている地域である。 中国政府は、武夷山の自然・文化資源の顕著な意義と普遍的価値を考慮し、武夷山の世界文化遺産・自然遺産への登録申請を行いました。武夷山は1999年12月に世界文化遺産と自然遺産のダブル登録が承認されました。 

 世界的に有名な貴重な大紅袍のお茶は、九龍渓の谷底、武夷山北側の崖に生えているのです。ここには大小2つの盆栽風の古茶園が重なっており、6本の古茶樹と青々とした葉を茂らせています。古茶樹は340年以上の歴史があります。 2007年7月、樹齢350年の母樹から最後に摘まれた大紅袍の茶葉20グラムが中国国家博物館に収蔵されました。それ以来、武夷山には母樹の大紅袍の茶葉を摘むことはなくなりました。 

 武夷山の観光客に最も好まれるのは、九曲渓というくねくね曲がる川です。九曲渓の面積は8.5平方キロメートル、全長は約9.5キロメートルです。山が水を抱え、水が山を回り、それぞれの曲線が異なる風景を持つようです。 観光客が幅約2m、長さ約9mのいかだに乗って、波を下るスリルを味わうことができます。いかだは四方を遮るものがないので、見上げて山を眺め、見下ろして水を楽しみ、流れの音に耳を傾け、手を伸ばして清流に触れることができます。まるで「桃源郷」にいる気分になるはずです。 

 日本のおすすめスポットは伊勢神宮、伊豆半島と松島です。日本の観光地については、当方が語るまでもなく、みなさんがそれぞれに体験していることでしょう。 2015年3月に初めて伊勢神宮に参りました。伊勢神宮にはおみくじがない、伊勢神宮は、参拝した日が誰でも吉日であるからだと当地の人から教われました。不思議な伊勢神宮、古くて新しいというイメージでした。建物は飾りもなく、森の木そのもので、大自然と一体感になれます。川・池も澄みきって底まで見えると克明に覚えています。 

 伊豆半島に何回も行きました。半島と親しくなったきっかけはやはり子供の時に見た日本映画「伊豆の踊子」でしょう。中国人観光客も「伊豆の踊子」から影響を受けて、よく伊豆半島を観光していました。伊豆は文学と観光は密接な関係があると思われる観光地です。 

 宮城県の松島とは、松島湾内外に浮かぶ260余りある島々の総称です。コロナの中、大震災十周年の際、日本三景の松島へ行きました。伊達政宗ゆかりの瑞巌寺、五大堂などの名所を巡りました。松島海岸と福浦島を結ぶ赤い福浦橋を渡り、藤田喬平ガラス美術館と松島海岸駅前の松島離宮を見学しました。歴史、自然、海、現代風のショッピングモールが揃えている松島は飽きのこない場所でしょう。 

(メルマガ黄文葦の日中楽話第75話より)

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