禅について、中国ではどんな状況?

【質問】 

私はもう7年ほどお寺の坐禅に通っています。いまやZENはアメリカでもブームのようですが、本家本元の中国ではどんな状況なのでしょう? 

 【回答】 

歴史の中で、中国人は禅の文化を大事にしてきたと思います。今、禅文化の研究者は大勢いますが、一般の方は、あまり禅の文化に触れる機会が少ないかもしれません。実は今、中国社会には禅の文化がとても必要ではないか、と思います。多くの人がお金を稼ぐことばかりを考え、イライラしているわけです。 

 中国では、禅文化の研究分野は、古典(禅文)、思想(禅語)、詩(禅詩)、書道(禅書)、画(禅画)、音楽(禅音楽)、武術(禅武)、漢方(禅医学)、農(禅農)、菜食(禅食)、茶道(禅茶)、慈道(慈悲と慈善)、孝道(禅孝行)などに分けられています。 調べてみたら、中国の多くの有名なお寺では、普段、座禅会などを開催しています。

例えば、江西省永修の雲居山真如寺、陝西省西安の臥龍寺、江蘇省揚州の高旻寺、浙江省寧波の阿育王寺、天童寺、河南省の少林寺などがあります。しかし、座禅に参加する人はあまり多くないそうです。ほとんどの寺院での座禅は無料で、皆がそれぞれの気持ちでお布施をするわけです。 

 一方、禅修行の旅行サイトがあります。禅をビジネスに結び付けるわけです。禅旅綱(izentrip.com)は、中国で最も影響力のある禅修行の情報サイトを目指しているようで、座禅、瞑想のイベントなど、さまざまな地域の禅修行に関する情報をリアルタイムに提供しています。 禅修行の感想文、禅修行の場所などの情報もカテゴリー別に収集されています。禅友は、自分の活動をサイト上で積極的に共有し、同じ志を持つ禅友とグループを形成して交流しています。ここでは、中国各地の最新の禅修行イベントをご紹介します。 中国では、まだZENはブームになっていないですが、時間とお金の余裕がある人がだんだん禅に興味を抱くようになってきたようです。  

(メルマガ黄文葦の日中楽話第84話より)

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