中国人は異常気象をどのように受け止めている?

 【質問】 

中国の人々は昨今の異常気象をどのように受け止めているのでしょう? 

 【回答】 

昨年の夏、中国各地には40度以上の気温の地方が多かったです。重慶では最高気温45度、上海では100年に一度の異常気温を記録しました。その一方で、8月中旬、40度以上の高温が広範囲で発生した時期に、北西部などではまだ雪が降った地域が全国的に多くありました。 

 新疆ウイグル自治区のアルタイ地方では多くの山岳地帯で降雪があり、雪の厚さが10cmを超える地域もありました。また、清河県の三道海子景勝地では降雪があり、最低気温はマイナス4度でした。 夏の暑さがまだ抜けず、東北地方ではまた雪が降っていました。複数のネットユーザーが東北地方の長白山に雪が降る映像を撮影し、前日まで夏の景色だったのに、一夜明けて予想外に雪が降ったと言います。飛雪は8月に復活したということです。 

 2022年の夏は、四川省成都市の人々にとって忘れられない夏になることは間違いないでしょう。最初は暑さと電力制限、次に厳しいコロナ対策によるロックダウン、そして自宅に籠っていて出られない時、強い地震が襲来しました。 もちろん、こうした異常気象は、中国政府や国民の間に不安と心配を与えているようです。 

あるネット上の論評では、次のように指摘されています。 

 世界の平均気温が2度上昇すると、上海や広州などの沿岸都市は海面上昇により完全に水没するという可能性が出ています。暴風などの異常気象の頻度が1000%増加します。サンゴはほとんど消滅すること。人類は絶滅の危機に瀕することになります。ですから、気候が生存に適したものになるためには、人類は温室効果ガスの排出を減らし、木をたくさん植えるなどの対策をとる必要があります。 

 学者も気候の異変を心配しているようです。極端な気候変動の増加は、強い大気反応を引き起こし、食糧作物の安全性など、さらなる「ノックオン効果」をもたらすと考える学者もいます。 ただ、わかっているだけで、人類はCO2排出量も歴史的な場面を作っていることに目覚めていないようです。地表付近の大気中のCO2濃度の世界平均は現在414.7ppmに達し、2020年の平均から2.66ppm増加しました。これは10年連続で年率2ppm以上増加しており、63年間のモニタリング記録で最も速いペースとなっていると指摘されます。  

(メルマガ黄文葦の日中楽話第86話より)

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