中国人は魚を生で食べない?
【質問】
かつて中国人は魚を生で食べないと聞きましたが、いまの食生活はどうなっていますか?
【回答】
海外の方にとって、中国人は魚を生で食べないというイメージがありそうですが、実は、中国人は長い間、刺身を食べてきました。 その歴史は古く、周の時代にまで遡り、現代に至っているのです。 中国側の説によると、唐の時代に詩歌が隆盛を極めたように、刺身の消費も盛んになりました 海の魚が多い日本の刺身とは違い、唐人は淡水魚を多く使って刺身を作っていました。唐の勢力は絶大で、日本は中国文化を学び自国を強くするために多くの留学生を唐に送り、この人気のある刺身が日本にもたらされたのです。
勿論、現在、日本人は中国人よりはるかに多くの刺身を食べています。しかし、中国は広大な国であり、食習慣も場所によって大きく異なります。 広東省の順徳や広西チワン族自治区の横県などでは、今でも伝統的に刺身が食べられていますが、中国の刺身と日本の刺身にはある違いがあります。
まず、中国と日本で異なる刺身の具材。中国の一部地域では、淡水魚、特に草魚を刺身にすることが多いです。 刺身を選ぶ条件は、新鮮であること、細かいトゲがないこと、魚の肉の身が締まっていることの3点で、特に筋肉が強い魚は食感や歯ごたえがよくなります。
日本の刺身といえば、マグロやサーモン、鯛など海の魚がほとんどですが、日本人は魚だけでは満足できなくなり、貝やエビを生で食べるようになり、それらを総称して刺身と呼ぶようになりました。 一般に、中国の刺身も日本の刺身も魚の切り方に条件がありますが、中国の刺身は身が薄いほど巧みという中華料理の考え方に近くにあります。食べ方についても、中国の刺身は完全な素材にこだわるのに対し、日本の刺身は常に本来の味を追求しているようです。
近年、物質的な生活水準の向上や、さまざまな料理の台頭により、順徳の刺身はますます人気が高まり、多くの中国人が、刺身は日本だけのものではないことを理解し始めているようです。 中国では刺身はあまり一般的ではないが、大都市の日本料理店や韓国料理店には刺身があり、中には日本から空輸されたものもあります。
中国人にとって刺身は高級料理であり、家庭の食卓に並ぶことはめったにないです。刺身もスーパーではほとんど売られていないです。多くの人はまだ生で食べることに慣れていないし、中国人にとって魚はさまざまな調理法で食べられています。
「生魚は不衛生だ」と心配する人はまだまだ多く、この認識を変えるのは難しそうです。 お金持ちの方の中には、お客様をお招きした時にわざわざお刺身を注文される方もいます。日本で暮らしたことのある中国人の中には、中国に帰ると刺身が恋しくなる人もいます。
それにしても、もともと、中国人の食生活はたいへん多彩です。経済的に豊かになるに連れて、魚や肉ではなく、野菜を中心としたシンプルなライフスタイルを追求する健康志向の人がだんだん増えてきます。
(メルマガ黄文葦の日中楽話第86話より)
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