「中途採用」「年功序列」は終身雇用制度とセットの言葉
黄 文葦
この前、ちょうどライターの仲間たちに「いつも中途採用という言葉に違和感を覚える」と話した。人間にとって、新たな仕事を選ぶことは、「中途」特別なことではなく、新しいスタートである。 その後、経団連は、新卒採用以外で使われている「中途採用」という名称を廃止し、「経験者採用」に統一するように会員企業へ呼びかける方針だという主旨のニュースが出た。やっぱり共感者がいると感じた。
ただし、日本の人事制度の中で、なぜ新卒と非新卒の間に、そんなに一線を画す必要があるのか。 採用を何種類にも分ける必要はないのではないか。年齢関係なく、人材と企業の間、お互いにニーズが合えば、採用する、採用されるわけである。
やっぱり「中途採用」「年功序列」は終身雇用制度とセットの言葉である。働き方改革で、フリーランスが増えるだろう。終身雇用制度は社会安定をもたらすものかもしれないが、人間には活気を失うこともある。 日本では、就職活動はたいへんエネルギーを使うこと。よく街でリクルートスーツ姿の若い女子を見かける。いわゆる就職活動をしている人たち。電車の中でも、時々「面接注意事項」などを読んでいる人がいる。女子たちが黒い髪、黒い靴、黒いカバン…ちらっと見ると、ほとんど区別できない。勿論、就職活動の男子たちも同じくリクルートスーツ姿、似ているような髪、靴、カバンを身につける… あえて言えば、まるで人をAI化しているようだ。 正直言って、面接で人を見た目まで画一化する必要があるだろうか。試験官は「表情」「笑顔」の類似する人たちから個性的な人材を見つけられるだろうか。
日本では、転職もなかなか難しい。多くの転職サイトが存在しているけれど、企業と人材の間に、厚い壁が建てられているらしい。企業にとって、人材を採用するには、仲介会社に採用する人の年収の30%以上の料金を払わなければならない。100万円以上の場合が多い。 日本では、仲介業者が多いらしい。それも社会分断の一つの証拠ではないか、と考える。
人間と人間の間、人間と組織の間、「出会い」と「コミュニケーション」がなかなか実現しがたい。情報を得るコストは意外にも弾む。
中国の人材採用には、「中途」というような言葉を使わない。転職は「跳槽」という。旧巣から飛び出して、新巣に飛び込むこと。
少し前になるが、中国の人材会社の「猟聘」が「2022ミドル・ハイエンド人材の雇用動向ビッグデータレポート」を発表した。それによると、2022年の第1四半期に、60.34%の労働者が新しい仕事の機会を気にしており、そのうち55.87%が転職の意志を持っていることがわかった。中国の人材市場は活発に動いている。
0コメント