【映画】『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART1』わたしはそれを受け入れられない

子持ちコンブ


鏡を見るたび、時の残酷さを痛感している子持ちコンブです。
「おかあちゃんの顔についてる茶色いやつなに?」
「息子よ、これはシミというのだよ。わかったら黙ってごはんを食べなさい(泣)」
 
というわけで、今回はタイムトラベル映画の金字塔についてちょっと難癖を付けようと思います。
この映画がお好きな方は回れ右でお願いしますね〜。


映画好きが10人集まれば5人は好きだと答える映画、
映画好きじゃなくても日本人の7割は好きだと答える映画、
観たことないけど日本人の9割は絶対にタイトルやどういう話かは知っている映画、
それが『バック・トゥ・ザ・フューチャー 』です。(いずれもわたし調べ)
しかし、わたしは子どもの頃からこの映画がずっと苦手でした。
 
 

高校生のマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)が、親友で科学者の変わり者ドク(クリストファー・ロイド)の発明したデロリアン型タイムマシンに乗って1955年ーー両親が青春を過ごした時代ーーにタイムスリップしてしまう。

 
うん、ここはいい、全然いい。むしろタイムトラベルものは大好きだし、デロリアンは格好いいし、年の離れた友人なんてかなり萌える設定。
 

しかし、マーティはそこで、本来ならば母親と父親の出会いのきっかけだった場面に出くわし、若き母親から好意を持たれてしまう。

 
はい、ここ。
 
いや、タイムスリップしたとはいえ息子ですよ?知らないとは言え、自分の子どもですよ?それに恋をするんですよ?
え、キモくないですか?
 
いや、このままだと自分が生まれなくなるわけだから「改変された過去を正そうする」ってところにスリルが生まれるし、そこにタイムトラベルものとしての醍醐味があることはわかってますよ。でも、だったら別の人に恋するんでもいいじゃないですか。
なのに、母親が息子を好きになるって。
 
いや、まじでキモくないですか?
 
なんでこんな話にしたのか本気でわからないんですよね。近親相姦願望?ロバートゼメキス、変態なの?いやー、まじでない。面白いのは認めるけど、PART1だけはちょっと無理…。(ちなみにPART3が1番好きです)
そう思ってずっと生きてきました。
 

しかし、6年前に自分に子どもが生まれて、ある意味でこの映画を理解できたところがあります。
なぜなら、自分の子どもという存在は、もしかしたら「理想の恋人」になり得るのではないか、という考えに至ったから。
自分の好きな相手と自分の遺伝子を受け継いだ人間を、自分の好みの性格に育てることが出来れば、顔も中身もそれはもう完璧な理想の恋人なのではないか!と。
 
ちょっとアブナイこと言ってます?
 
けどね、同時に悟りました。
人間を望んだように育てることなどとても不可能だと。つまり、自分の息子に恋をするなんてことはあり得ないわけです。
 

…でまぁ結局、何が言いたいかというとですね。
子どもを持ったことで"みんな大好き"『バック・トゥ・ザ・フューチャー 』に歩み寄れたような気がしているって話です。
 

経験や年齢によって、本の読み方も、映画の観方が変わるわけです。そしてきっとそれが、成長ってことなのでしょう。
いろんなものを受け入れて、いろんなものに歩み寄りながら生きていく。大人なるって、そういうことなのかも。
シミもシワもその証なんだわね、多分…。
……うん、受け入れよう(泣)
 

一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍