12年後の私

担任をしていた6年生の子どもたちが、卒業式を迎え、無事に小学校を巣立っていった。

卒業する前に、12年後の未来の自分がどうなっているか、考えてもらった。
それぞれ夢があって、みんな将来の夢に向かって、キラキラしている。


そんな私は、12才のときに描いていた未来とは違う人生を描いている。
12才のころ、『芸能人になりたい!』と思っていた。でも、中学生になって社会の勉強が好きになり、将来はマスコミで活躍する夢になった。
でも結局、どっちの夢も実現せず、気づいたら学校の先生になっていた私。

そんな私だが、卒業式のあと、子どもたちに1つだけ話したことがある。
『自分の好きなことを頑張ってください。そして、特技を見つけてください。』


今振り返ると、自分が語学が得意でもなく、ピアノも得意ではなく、スポーツも得意ではない。
子どものころ、プールやらピアノやら習い事はいろいろしていたけれど、どれも中途半端に終わってしまい、これといった特技もない先生。
だからこそ、子どもたちにはだれにも負けない特技を見つけて、将来活躍してほしい。


マスコミ業界にも入れず、悶々とした大学4年のころ、『普通って、なんだろう?』と、考えていた。
ちなみに今も、その答えは見つかっていない。

今の私は、『マスコミで働いて、政治記者になる!』 という夢とはかけ離れてしまった。これといったこともないけれど、平凡な毎日でも幸せなんだと、胸をはって言える人間にはなりたい。

ちなみ12年後の私は、結婚していることが理想である(笑)


そして、もうひとつだけ言いたいことがあった。二年間、怒ってばかりでごめんね。
愉快で個性的だったこの子たちが、12年後どんな活躍をしているか、楽しみだ。




一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍