中国人から見る「鬼滅の刃」

【質問】 

アニメ映画「鬼滅の刃」が中国でも大ヒットしているとのこと、どのように受け止められているのでしょうか? 

 【回答】 

日本で人気のアニメ映画が出たら、すぐに中国でも人気が出ます。 「鬼滅の刃」の人気が、中国大陸にも広がっているのです。中国版YOUTUBEとも言われるbilibiliサイトでは、すでに6億回再生されております。 

 日本人と中国人が、アニメに関する価値観が一致しているようです。日本と中国の観客によるアニメ映画「鬼滅の刃」のオンラインレビューを読むと、言葉の違いだけで、意見がよく似ているように感じられます。 

 中国人観客の感想によると、「鬼滅の刃」は時代に合った人気のあるテーマで、スピード感があります。アニメ化されてから人気が急上昇したということです。 ある観客の感想には、「鬼滅の刃」を観て、「絆」という言葉を深く理解できるようになったといい、「愛の絆は、どこにいてもあなたのところに行きたい、どんなことがあってもあなたと一緒にいたいと思うことが多い」と言います。 

 「鬼滅の刃」だけではなく、日本のアニメ映画の全体が中国で専門家と一般の人々に好まれているようです。 専門家の見解によると、日本のアニメ映画はいくつの特徴があります。日本のアニメは人間の本質を表現するストーリーテリングに傾いていること。 

 また、日本のアニメ映画が物語の中に熱血漢の精神があるからだ。「熱血」というのは日本の漫画の中でも非常に独特な表現であり、アニメ作品の中には、主人公が英雄的な死を遂げることがあり、そこにはサムライの精神があります。 日本のアニメ映画にはディテールへのこだわりが強い。つまり、日本のアニメの魅力は真似できないということです。新世代の中国アニメ動画の画風の多くは、日本のアニメ動画の影響も受けています。 

 マンガとアニメを創作する際、日本人が細かいところまで刻むこと、「静か」の文化に焦点を当てて、静かなところから、微妙なものが見えてくる。必ずと言っていいほど、アニメ映画の中に入れられる小さな感動的なアイデアを見つけることができるのです。 面白いことに、ネットニュースよると、多くの日本人が「鬼滅の刃」を通して、中国語を学習します。キャラクターや決め台詞の中国語での読み方は中国のサイトで全部載せています。勿論、日本のアニメ映画を通して、日本語を勉強する中国の若者も大勢います。 

(メルマガ黄文葦の日中楽話第41話より)

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