高考(大学共通入試試験)が終わった後、なぜか、離婚ブーム

中国では、高考(大学共通入試試験)の結果が発表され、受験生は人生の転機を迎えようとしているが、一部の受験生には両親の離婚が余儀なくされた。 高考の後、民政局の前に離婚の行列ができるという現象が何年も続いている。 この典型的な「中国的な離婚」現象に対して、「高考離婚族」という言葉がうまれた。これは、関係を断ち切った夫婦が、子供の受験に影響を与えないように表面上は家族の整合性を保ち、試験の結果が発表された後に、離婚する決断の真相を子供に語る。 

 大学受験と離婚という一見無関係な2つの問題が、近年、実生活の中で頻繁に交錯している。 中国では近年、「高考離婚族」が増加してきた。大学入試は毎年6月上旬に行われるため、7月から9月にかけてはこれらの親が離婚する「ピークシーズン」となる。 

 統計によると、この時期の離婚申請数は、大学入試前に比べて20%も多いそうだ。以前、湖北省襄陽市の民政局の職員が、「大学入試が終わると毎月300件以上の離婚が登録される」と言った。これは毎年のことである。 子どもの勉強に影響が出ることを恐れて、2年以上も子どものために我慢してきたお母さんもいる。平然とした顔で離婚を切り出してくるこれらの中年男女に対して、「なるべく和解させ、離婚をしないように」という原則を貫いてきた民政局のスタッフは、「彼らはすでに慎重な検討を経ているので、ほとんどの人はこれ以上説得できないだろう」と言う。 

ネット上には、「私がこの日のために10年間準備してきた」という受験生を持つ母親からのメッセージもある。子供が高校卒業、大学に合格する機に、やっと離婚できて、人生の自由を手に入れたという。最高人民法院の離婚紛争に関する司法統計によると、近年の離婚の70%以上は女性が発案したもので、1970年代生まれ人は1980年代生まれ人に次いで2番目に多い離婚者数となっている。 

すべては子供のためにという「中国式子育て」を評価しない受験生も大勢いる。子どもたちは「離婚してもいいから、幸せになってくれ」、「高校受験と結婚生活の不幸を結びつけないで」、「離婚できなかったこと、私たちのせいにしないで」とコメントをした。 

民政部の統計では、中国の離婚率はこの8年間に連続上昇してきた。離婚率が高いのは大都市で、北京、上海、広州、深圳が中国で最も離婚率の高い4都市にランクインしている。「高考離婚族」という怪現象がこれからも続くだろう。 

(メルマガ黄文葦の日中楽話第45話より)

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