中米関係が悪くても、中国人は米国に行きたがる
【質問】
永住・帰化の記事を興味深く読みました。一方で「三つ子政策」などに取り組んでいる中国は、若い世代の海外移住をどう見ているのでしょうか?
【回答】
若い世代の海外移住について、中国は具体的な政策をまだ示していないようです。中国では、家庭移住が多いようです。親が子供の将来のために移住を決意することです。 実に、中国移民大国です。2019年、中国は約1073万2300人の移民を送り出し、世界第3位の移民送り出し国となり、中国人の米国への移民は続いており、米国、日本、カナダが依然として主な移民先となっています。中米関係が悪くても、中国人は米国に行きたがることです。
海外移住の若い世代の心境を覗いてみます。多くの若者にとって、海外移住の目的はそれほど功利的なものではなく、必ずしも何かを手に入れるためではない。多くの若者は、単に自分の居場所と安心感を求めて移住してきます。
だから、医療や教育などでネガティブなニュースが流れると、若者の不安はさらに高まり、自分の目標を見つけられずに迷うのです。環境を変えることで状況を変えようとするわけで、当然、経済的に余裕のある若者の多くは移民に目を向けることになります。 彼らは他の先進国へ行くことは、別の若者たちが大都市を離れ、安心感を求めて故郷に帰ろうと似ている感覚で、海外へ行く若者が「安全な快適な場所」を求めることは明らかです。
中国では、家族は別として、見知らぬ人から近所の人まで、短い会話の中でも給料や結婚の有無、生活環境など個人的な質問を簡単に言い出す。こんな環境を嫌だと思われる若者が増えてきて、プライバシが重視される海外へ行きたがるわけです。 一方、海外では比較的自由で、イデオロギー的な制約もないため、自分の好きなように生き、自分の望む成功をこだわり、物質主義的な追求を控えることができるのです。中国では、若者には仕事と出世の競争が激しいものです。
多くの若者は、将来のことを考えて、移民が絡む場合は主に次世代の教育や生活のために海外で働くことを望んでいます。環境、社会制度、国民の質、社会風土、公共施設、自由度など、海外から人を惹きつける重要な要素が揃っているのです。 若者の海外移民は不可逆的な流れであり、だからこそ中国は「三つ子政策」など人口増加のための対策を取り組むことに躍起になっているようです。
(メルマガ「黄文葦の日中楽話」第67話より)
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