ぼくの人権を保障してください

ある日の学校で、言われたことば。

この子は、発達障害のある子で、話し方もそのセンスも独特。
ユーモアある彼には、いつも笑わされる。
しかし、なかなかマイペースな彼には、いつも悩まされる。


この日も『いい加減○○しなさい!』と言うと、『どうして先生は怒ってばっかりなの?先生は、厳しすぎる!僕の権利を保障して!』と、訴えてきた。
いつもこの男の子は、私の言うことに『ああでもない、こうでもない』と反論してくる。
テレビ見たいのに!
パソコン見たいのに!
友達と遊びたいのに!
ゲームやりたいのに!
掃除なんてやだ!
勉強なんてやだ!
なんで、先生の言うこと守らなきゃいけないの!
など。


俗に言う『ああ言えばこう言う』?


そんな彼には、必ず『自分の権利を主張する前に、きみの義務は果たした?』と言う。
そして『きみの義務は、勉強することと、世の中のルールを知ることだよ。それを守ってくれたら、先生も君の話をちゃんと聞くし、困ったことがあったら、助けるよ』と話す。
すると、たいていは納得するようだ。


大人の義務はなんだろうか。
私は、働いて納税をすることだと思っている。
でも、これを果たしている人はどれだけいるのだろうか。
とある新聞によると、30代の引きこもりは、22万人以上いるのだと言う。
理由はさまざまだ。


将来がある子どもをいかに自立した大人に育てていくかが、教育の責任だと感じている。
子どもたちには、時には優しく話を聞いて、でもダメなことはなにがあっても許さないで突き通す。
それがいいのかは分からないが。
子どもたちには、責任ある大人になってほしい。

一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍