認知症カフェに参加してみませんか
12月22日、私は高田馬場にある日本福祉教育専門学校に行った。毎月の最後の土曜日、あそこでMeMoカフェが開催される。いわゆる認知症カフェである。資料によると、認知症カフェは、厚生労働省が平成27(2015)年に発表した「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」の一環である。認知症のご本人とご家族が、地域住民の方や、介護・福祉・医療の専門家と身近な場所で集い、交流できる場であり、ケアラーズカフェ、オレンジカフェとも呼ばれている。
その日、ちょうどクリスマスの前だったので、MeMoカフェでささやかなクリスマスイベントが行われた。日本福祉教育専門学校の学生よりミニコンサートや、専門家により「暮しを健康に過ごそう」の講座、爪もみ・指のツボなどのプログラムがあった。
そして、「JAMESの紙芝居」というプログラムでは、75歳の高井さんがやさしい声でやさしい物語を語っていた。子供に向ける童話であるが、大人をも魅了した。このように、お年寄りたちと若者が一緒に感動を味わい、最後には老若男女皆で「きよしこの夜」を合唱した。
その日、私にとっては特別なクリスマスの気分を味わった。考えさせられたことが多く、心の平和と愛情のような暖かさを感じた。
実は、先日、Facebookの友達であるNPO法人「なやまんと」代表の工藤春人さんが同じく豊島区在住の高井さんを紹介してくれた。高井さんが長年「JAMESの紙芝居」を中心にボランティア活動を行っているようである。公園、病院、介護老人施設、福祉専門学校、区民ひろば、教会、としま産業振興プラザなど、様々なところで活躍している。活動内容は紙芝居、絵本読み聞かせ、童謡、ハーモニカ演奏、折り紙遊びなど。つまり、お年寄りと子供を支援しているスーパーボランティアである。
ついこの間まで、若年性認知症を患う主人公の愛の物語を描くTBSテレビのドラマ「大恋愛」を見た。主人公の記憶を失われる前に、切なく幸せな大恋愛に恵まれた。それでも人生の幸運だと言える。
どころで、現実の世界にはそんなロマンチックなことがめったに起きない。厚生労働省が2014年に公表した調査結果によると、軽度認知障害または認知症の高齢者の数は全国で約862万人。つまり、65歳以上人口の4人に1人の計算になる。認知症カフェがそれらの高齢者と家族を支える存在だと思う。そして、高井さんのようなボランティア活動に熱心な人達が認知症患者・家族と一緒になって、誠心誠意にサポートしている。
人生の中、必ずしも「大恋愛」ができるとは限らない。それにしても、なるべく周りの人たちと一緒にいい思い出を作ろう、人を助けることができるようにしたらいい。老いと衰えは避けられないが、人には記憶がある限り、なるべく他人にも自身にも「やさしいもの」「美しいもの」をさせよう。
読者諸賢、あなたの街では認知症カフェがありますか?みつけたら、是非とも一度でもいい、参加してみてはいかがでしょうか。認知症への理解を深めるはず。人を助けることだけではなく、きっと自身も豊かな心を得るでしょう。
写真はMeMoカフェの「JAMESの紙芝居」の様子。
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