五体不満足

このお正月休みの間、時間があったので、乙武さんの『五体不満足』を読んだ。
この本が出版された時、話題になったことは知っていたが、読むのは初めてだった。
賛否両論あるかもしれないが、障害とはなにか、当事者からの視点で世間に発信ができたことは、画期的だったと考えている。


私は生まれた時、仮死状態で生まれたらしい。たまたま大きな大学病院で生まれて、すぐに対応してもらったので、助かったようだ。
そのせいなのか、食物アレルギーがひどく、子供のころは、卵や大豆、乳製品のアレルギーで、両親は何を食べさせたらいいのか困ったらしい。
それに加えて、小児喘息があり、小学校低学年まで入退院を繰り返した。
それ以外は、幸い健康だったが、両親はどうなるのか不安だったようだ。


だれでも自分の子どもは、五体満足で健康で生まれてほしい願っている。
自分自身だって、健康に生きたいと願っている。

じゃ、自分の生んだ子どもが、もし障害があったら??
病気がちだった私でさえ、両親は心配の種がつきなかったなら、障害があったら、受け入れられるだろうか?


今私は、仕事で聴覚障害のある子どもたちと関わっている。
保護者も様々だが、彼らが生まれた時、想像を絶するものだったに違いない。
でも意外と、本人たちは幸せそうに毎日を過ごしている。

大人から見ると、『将来聞こえないことで、壁にぶち当たったり、苦労したりすするにちがいない!』と、思ってしまう。
聞こえないことで、苦労もあるだろうが、子どもは大人が思っている以上にタフで強い。
なにか壁にぶち当たったときは、その子どもの可能性に信じてみるのも、いいかもしれない。


ただ、自分の生まれた子どもに障害があったら…
私だったら、乗り越えられるだろうか?
まだ答えは見つかっていない。

一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍