めでたい茶屋、仕込み中!

週に一度、放課後の時間に、クラスで茶道体験をやっている。
もともとは、私が裏千家を習っていて、やんちゃな子どもたちに、落ち着いた時間を過ごしてほしいと、思ったからだ。


まずは、茶屋をオープンするにあたり、お店の名前から考えてみることにした。

今年、卒業するからめでたい!
だから、名付けてめでたい茶屋!

毎週火曜日は『めでたい茶屋開店中♪』


最近の子どもたちに日本の伝統文化を教えるのは、不安があったけれど、やってみると、意外とみんなのりのり♪♪♪
『来週の和菓子は、おだんご食べたい!』
『ぼくはカステラがいい☆』
と、意外と楽しみにしている。


実は私は子どものころ、茶道のわびさびなんてわからなかったし、京都のお寺だってつまらなかった。
しかし、転機があった。
中学のとき訪れたカナダで、
『自分の国の世界遺産も知らないの?』
『姫路城って、どんなとこ?』
と、ホームステイ先の家族に言われたのである。
そのとき、初めて自国の文化を何も知らないことに、気づいた。むしろその土地にいる人よりも、海外の人のほうが、日本の文化に詳しいのである。

そこから、少しでも日本の文化を知りたいと思うようになり、茶道や三味線を習い、年に5、6回は毎年京都に行くようになった。


もうすぐ私が担任をしている子どもたちは、小学校を卒業する。
子どもたちには、日本の文化にもっと触れてほしい。
そして、海外の空気にもたくさん触れて、視野の広い人間になってほしい。
彼らが私と同じ年になったころ、どんな人間になっているだろうか。
楽しみである。

一号館一○一教室

とある大学の学生記者・カメラマンOB・OGによる先駆的Webマガジン     カバー写真:石川龍